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僕は今33歳でもうすぐ34歳になろうとしていますが、16年前は17歳か18歳。 2016年7月10日の参議院選挙は選挙権が与えられる最低年齢が引き下げられて以後初の国政選挙で、当時の自分と同じくらいの年代の人も投票できるようになっています。 考えに考え抜いて投票先を選ぶ人も、自分が支持する人の方に勝って欲しいと思う人もいると思います。
当時僕には選挙権はありませんでしたが、それでもテレビで報じられる投票率の低さにイライラしていました。 みんなが選んだと言える事ならまだ納得できなくはないけど、みんなが選んだと言えないほど投票率が低くてどうして納得ができようか、と。
参院選を前にして、16年前の当時書いた文章がなぜか参照されていた形跡があったので改めて読み返してみましたが、いやぁ若いですね恥ずかしいですね。顔から火が出るなんてもんじゃないですね。でもこれも自分を形作ってきた物のひとつという事で、消さずに残しておくことにしました。
ところで昨今、僕が支持している考え方やそれに近い考え方の陣営が下手を打って自ら株を下げているように感じられゲンナリさせられることが度々あります。
中には、事実と確定していないデマと思しきものもあります。 しかし16年前の当時の自分や、自分が体験した事例を思うと、「やらかしててもおかしくない」と思わずにはおれません。 世間からも「こいつらならやらかしててもおかしくない」と見なされている、そういう風潮を感じます。 16年前の自分が書いた文章を読み返して恥ずかしかったのは、それも理由の1つだと思いました。
なので、そういった事例と絡めて、その頃の自分にも聞かせるつもりで、今現在自分が思っている事を改めて書き残しておこうと思います。
(ところで、大前提として選挙には行きましょうね。 そこは当時も今も相変わらず思ってます。 選挙権を20歳で得て以降、自分は今の所、公的な選挙は記憶にある限りでは全部行ってます。)
当時の僕は「選挙の後にガタガタぬかしても変わらない。選挙で物事が決まるんだ。だから選挙に行かなきゃいけないんだ。」という感じの事を語ってましたが、浅かったです。実際には選挙と選挙の間、選挙がない時の方が大事です。勉強と同じですね。普段勉強していれば試験でいい点が取れて、勉強してなければ点は取れない。試験は「普段のあなたがどうであるか」が可視化される機会でしかなくて、試験で点を取る事は目的ではありません。それと同じで、趨勢は選挙の前にだいたい決まっていて、選挙もそれが可視化されるというひとつの区切りでしかありません。
だから、選挙の時に熱くならないで下さい。
というか、選挙の時じゃなくても熱くならないで下さい。
我々には資金や組織力が無いからゲリラ戦を挑むしか無いのだ、みたいな自己正当化をして無関係の他の人の邪魔をしたり迷惑をかけたりしないで下さい。
自分は正しい事を広めようとしてるんだから少々の事は許されるのだ、みたいな思い上がりからルールを軽視し犯すような真似はしないで下さい。
「協力してくれるなら味方だ」みたいな二元論でもって無限の同意や無償の全面協力を強いたりしないで下さい。 ましてや、勝手に人の名前を使ったり意思を騙ったりしないで下さい。
(上記の例には、誰がやったのかも定かでない、事実かどうかも定かでない、という物も含まれています。が、前述の通り自分は「こういう事が実際あってもおかしくない」と思っていますので、以下の話はそれを前提として書きます。)
「今は特別な時だから」とか「自分は正しい事をしてるから」とか、そういう都合のいい例外を自分で作ってルールやマナーを勝手に歪めて考えないで下さい。 そういう傲慢さや、見識の狭さや、頭の悪さは、見透かされます。 そういう人を、良識を持ったまっとうな人は支持しませんし、好感も抱きません。
厳密に言えばグレーゾーンなんだから、黒と確定してるわけじゃないんだから、やっちゃった者勝ちなんだから、やっちゃえばいいじゃん。 「あいつら」がやってるんだから「こっち」だって同じことをやりゃいいじゃん。 おあいこで相殺されるでしょ。 そう思うかもしれませんが、周囲の第三者はそういう甘い判断をしてくれません。 良識ある人達は好意的に見てくれるはずだ、なんて思い上がらないで下さい。 良識のある人は、わざわざグレーゾーンに踏み込みません。 グレーゾーンに踏み込んだ時点で、良識のある人から見れば、あなたはもはや「良識が無い・一顧だにするに値しない、良識に反する敵」なのです。 そこを勘違いしないで下さい。
なぜそんなに熱くなるのか。 当時の自分を思い返すに、「普段の鬱憤を晴らしたい」とか「今までの不利を一気にひっくり返したい」とか「今まで認められていなかったぶん、認められて評価されたい」とか、そういう思いがあったと思います。
選挙の前に趨勢は決まっている、世論という物はだいたい形成されている、という事は、なんとなく皆さん感じていると思います。 そういう物を自分一人の努力で容易に変えられはしないという事も、薄々分かっていると思います。 自分が思った事とか考えた事を披露しても聞いてもらえない、賛同も得られない、言えば言うほど嫌われ避けられる、それどころかそもそも言いだす事すら憚られる、そんな感覚がなんとなくあるんじゃないでしょうか?
だから、選挙というタイミングで一発逆転したくて、もしかしたら一発逆転できるかもと期待して、熱くなるのではないでしょうか。 少なくとも僕は、そう考えていたと思います。
そんな風に虫のいい事を考えているから、嫌われるような事をやらかすんですよね。 今になって改めて、自分はそう思います。
虫のいい事を考えている間は、そういう考えを捨てられないという本質的な人間性が変わらないままでは、「ルールを守って」とか「マナーを守って」とかそういう事に気をつけようとしても、どうせできやしません。 先に挙げたような迷惑行為を表面的に慎もうとしても、違った形で迷惑行為をやらかします。 絶対にボロが出ます。 コーラを飲んでゲップを我慢しても、代わりにオナラが出るのです。
一発逆転を目指さない、とはどういうことか。
今の僕は、これが大事な点だと思ってます。
そういう風にやったからといって、人に好かれる保証は無いし、支持される保証もありません。 結局誰にも賛成してもらえないまま、というオチだって十分にあり得ます。 非を認めた途端に、「それみたことか」と得意げに叩き出す人も出てくるかもしれません。 でも、それでも誠実にいきましょう。 それが最低条件です。
僕のここまでの人生、わりとそんな感じです。 自分ではなるべく嘘をつかず真面目にやってきたつもりですが、「大多数の人の圧倒的な支持」は得られていません。
大多数の圧倒的な支持を得ていれば勝ち、そうでないなら負け、という考えであれば、僕の現状は「負け」ということになるでしょう。
でも実際には、僕の活動を意義ある物として評価してくれる人はいて、たまに誉められたりもしてます。 嘘・虚構で得たわけでなく、事実を積み上げた上で得られた評価なので、これは確かな物だと自負しています。 「勝つ」か「負ける」かの2値でだけ考えていると、こういうものを見落としてしまいます。
「耳障りのいい嘘をつかなきゃ聞いてもらえないじゃないか」 「嘘でもなんでもいいから聞いてもらえなきゃはじまらないじゃないか」 そんな事はありません。それはあなたの考え違いです。 嘘も捏造も無しに正直に話していて、話を聞いてもらえている人はいくらでもいます。
ただし、「あなたが正直に話しさえすれば、誰でも話を聞いてくれる」訳でもありません。 正直に話しても聞いてくれない人はいます。
人に話を聞いてもらえないなら、その人が興味を持ってくれて聞きたくなってくれるような話し方を考えましょう。 間違っても、無理矢理肩を引っ掴んで聞かせるような事はしないで下さい。
話を聞いてもらえないのは、聞く気が無い相手が悪いのではなく、聞く気にさせられないあなたが無力なのでもなく、あなたと相手が違う人間だからです。 そこが分からない限り、永遠に話は聞いてもらえませんし、聞いてもらえても恐らく、「分かってもらえた」と満足できる事は無いでしょう。 相手があなたのコピー人間でもない限り、「あなたが満足できるようなレベル」で相手があなたの考え方を受け入れて同意してくれることはありません。 相手に期待しすぎないで下さい。
若くて熱くなっている人にはなかなか理解できないかもしれませんが、自分と違う人生を生きてきて、自分と違う考え方をしていて、自分とは相容れない考えを持っている、そういう人達を貶すでもなく取り込むでも無く、そのまま死ぬまでお互いに平行線を行き続けながら、同じ船に乗り続けるのが社会というものです。 「自分と違う考えの人がいなくなればいいのに」とあなたが思うのなら、相手の側から見ても「自分と考えが違うこいつはいなくなればいいのに」と思われています。 あなたは安全地帯にいるわけではありません。 それを念頭に置いて、「何事もお互い様だ」という事を忘れないで紳士的にやって下さい。
それが格好いい大人という物だと、今の自分は思っています。
2016年の現場からは、以上です。
良い記事でした。特に最後の「話を聞いてもらえないからってヤケにならないで下さい」が素晴らしい。選挙や政治に限らず、いつでも通じる話だと思います。
それであの、提案があるのですが、「熱くなって馬鹿な事をしないで下さい」の段落で挙げられた行為のリンクを外すか、もし同内容の記事があればより信頼性のおける(といっても具体的に思いついてはいないのですが)メディアにリンク先を変えるとより良い記事になると思うのですが、どうでしょうか?または法に触れて事件になった(それ故その行為の確実さが高い)過去の選挙での行為にリンクをはって頂くなど…。
今回の選挙活動で発生した例を挙げることはもちろん大事なことだと思いますが、しばらく時間をおかないと、実際に何が起こったか・どういう事情があって起こったのか、という点についてはっきりしたことが言いにくいとも思っています。特にネットでの事件の紹介のされかたは余り冷静になされていないことが多いように感じますから…。
本記事に付け加えることがあるとするなら、選挙で投票する際にネットや新聞、テレビなどのメディアで得た情報を鵜呑みにしない、少し立ち止まって考えてみる、ということがあると思います(難しいことですが…)。複数のメディアによるクロスチェックや、見出しだけでなく本文も読むとか、情報源のチェック、その事件はその後どうなったのか追ってみるなど。また、陥りがちな危険として、それが自分にとって受け入れやすいから(また逆に受け入れにくいが故に)容易に信じてしまうこと、ある人が良いことを(政治以外で)いつも言っているので、政治についてもその人の言うことをよく検討しないまま飲み込んでしまうことなど。
これらのことと関連して、今回の選挙活動で発生した行為を例に挙げるのは性急なのではないか、と思った次第です。下衆の勘繰りですが、「熱くなって馬鹿な事をしないで下さい」の段落だけ、何というか、それらの行為をした人または集団に対して忸怩たる思いがあってそのような例を挙げられたのかな、と感じてしまったのです。違うのでしたら大変失礼なことをコメントしてしまい申し訳ありません。
長々と書いてしまいましたが、このままでも十分良い記事であると思いますので、修正されなくても全く構いません、変な奴が絡んできたということでこのコメントを削除してしまってください。
最後に、この記事のコメントで言うことではないとも思いますが、Firefoxのアドオンのテキストリンク、いつも便利に使わせて頂いております。開発して頂き、感謝しております、有難うございます。
最近話題になっていた記事を例に挙げているのは、おっしゃるとおりそこに対する忸怩たる思いが強いからです。
しかし古い記事を読み返していて、それは自分にとっても他人事ではなかったという思いを新たにしました。
それで書いたというのが動機なので、そのような文脈が分かりやすくなるように何カ所か修正してみました。
事実かどうかも疑わしい話やグレーゾーンの話を説教の題材にするのはいかがなものか?という指摘は妥当だと思います。
自分は、事実としてあっておかしくないと思っていますし、グレーゾーンについてもグレーゾーンに立ち入る事自体がここでの問題だという立場なので、申し訳ないのですが、リンクしている事例についてはこのままで置いておこうと思っています。
あのようなコメントに対応して頂き有難うございます。
大幅に加筆して頂くことになってしまい申し訳ありません。しかしそのおかげで、私が提案したものよりずっと分かりやすく良いものになっていると思います。
先のコメントで私の立場について曖昧な点があったと思うので補足しておくと、私は挙げられた例に対して、そんなこと起こったはずがない・大きく歪曲されている・あったとしても問題ない、と思っている訳ではありません。それらの多くは実際に起こったことだろうし、法に明確に触れなくても許容されることではない、と思っています。
ただ、元の記事を読んだとき、Twitterに書かれていたことと合わせると恐らくこのような意図 (Piroさんがコメントされたようなこと) で書かれたのだろうな、と感じたのですが、この記事単体で読むと少し違った読みができてしまうかもしれないと勝手に考えてしまいました。せっかくの良い記事なのに少し勿体ないな、ということでコメントした次第です。
今になって自分のしたコメントを読むと本記事と余り関係のないことも長く書いてしまっており、恥ずかしく思っています。私自身が今回の選挙でなされていることにがっかりしてしまって筆が滑ってしまったようです、失礼致しました。
改めて、良い記事を書いてくださり、そしてより良い記事にしてくださり有難うございました。
> 先のコメントで私の立場について曖昧な点があったと思うので補足しておくと、私は挙げられた例に対して、そんなこと起こったはずがない・大きく歪曲されている・あったとしても問題ない、と思っている訳ではありません。
はい、そこは承知しております。
後の方で「根拠のある事実に基づいて」とか言ってるのに、肝心の自分がやってないのはどういう事か? と突っ込まれた時に弱い、というのは間違いなくありますので。
の末尾に2020年11月30日時点の日本の首相のファミリーネーム(ローマ字で回答)を繋げて下さい。例えば「noda」なら、「2016-07-09_election.trackbacknoda」です。これは機械的なトラックバックスパムを防止するための措置です。
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