悪いことばかりではなく、XULアプリケーション開発を通じてこれは良いなと思ったことももちろんあります。
先ほどの話と重複する部分もありますが、XULアプリケーションはオープンソース且つインタープリタ型で、改造などの敷居が低いため、何かトラブルが起こった時に自分で割と気軽に対処することができるというメリットがあります。
また、そうして行った改造の成果を作者に還元してプロダクトの改善に協力することもやりやすいです。私も最近、他の方の作られたXULアプリケーションについて修正や機能拡大のためのパッチを提供する機会がありました。
また、先ほどお話ししたようなクロスプラットフォームならではの苦労があるとはいえ、自分の作ったプロダクトが自分と違う環境でも動くことには新鮮な感動がありました。また、BeOSや超漢字などのマイナーな環境においても他の環境で作られたプロダクトがそのまま使えるのは、アプリケーション開発者が不足しがちな状況において大きなメリットになるでしょう。
XULの利点として先ほどの比較では挙げていませんでしたが(紹介するのを失念しておりました)、多言語化対応がやりやすいという特徴もあります。多言語化対応というのは、例えばメニューやメッセージなどの表示について日本語と英語を切り替えられるようにするといった話です。これのおかげで私も自作のXULアプリケーションについて日本語と英語両方に対応させることができています。
私の場合、英語表示に対応できたことで英語圏の方とコミュニケーションを取る機会が増えました。私の英語力は大変拙いものなのですが、それでも意外と通じるもので、文化を異にしている人とコミュニケーションを取ることができるということただそれだけをとっても興味深いものがあります。コミュニケーションの窓口が広がったことで、ユニークなアイデアを示してもらえる機会も増えました。
いかがでしたでしょうか。私自身の力不足と時間の都合で非常に大まかにしかXULのことをご紹介できませんでしたが、この解説を通じて少しでもXULについての理解を深めて頂けましたら、そして、今後のアプリケーション開発のツールの選択肢の一つとしてXULを加えて頂けましたら幸いです。
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