当サイトの日記（日記なんかい）に於いて、名指しで書かれていない――宛名書き（具体的には span.To ）のない文は基本的に一般論・ただのボヤキと受けとっていただければ幸いです。思い当たるフシのある人は思い当たればいいし、ない人は無視すればいい、と。逆に、特定の誰かに向けたメッセージは、できる限り宛名を書く・文を引用するなどの形で誰に向けたメッセージなのかを明記するようにしています。
僕がこのような方針をとっているのには、3つの理由があります。
以前日記で述べたことですが、例えば誰かを批判する場合、僕は以下のような規準で批判者の格を考えます。
下に行くほど僕の脳内での格は下がっていきます。何故なら、下に行くほど自分の負うリスクが少なくなっていくからです。これはあくまで匿名か否か・名指しか否かという規準だけでの話なので、別の規準から見れば、また順位は変動するでしょうが。
つまり、明らかな特定個人バッシングの文章を公開し多数の閲覧者に一方的に相手の悪印象を広めておきつつその文面は不特定多数向けを装っており当人から反論されたら「これは別に貴方のことじゃありませんよ」と逃げるなどといった卑怯極まりない行為は慎みたい、と。プライドのためというよりは、そういうことが嫌いというだけですが。
メッセージの内容が相手への批判なら、基本的には、相手に読まれてナンボです。日記のような場で単に公開していたところで、相手が読むとは限りません。また、読んだとしても、それが自分に宛てられたメッセージであると解釈するでしょうか。否、恐らくは自分にとって都合のいい文だけを「自分に向けられたメッセージ」と解釈し、自分に都合の悪い文（批判文）は「他の誰かに向けられたメッセージ」と解釈するでしょう。ヒトはそうそう自己批判できるようにはできていません。
※ 別人に向けられた批判を見て、たまたま自分にも該当していたら、以後気をつけようと思う――そういう人もいるでしょうが、これも自分にとって都合のいい批判だけを無意識に選別した結果と言えるかも知れません。名指しでメッセージを送るというのは、都合のいいもの・悪いものひっくるめて全て自分に向けられたものと認識させる、ということなのです。――相手方がそれに対し真摯に対応するかどうか（見て見ぬフリ・気づかないフリなど）は、また別問題ですが。
誰かを批判するとして、それは一体何のためでしょうか。悪口を言って相手の評判を落とすため？ 誰かを貶すことで自分の地位を相対的に高めるため？ だとすれば、メッセージを伝える対象は相手ではなく第3者ですから、相手を名指しにする必要は特にありません。しかし目的が相手とのコミュニケーションのため、或いは相手に改善を求めるためなら、相手に対しこのメッセージは自分に向けられたものだと認識させることが必要です。
特定個人向けの攻撃的なメッセージを、誰に向けたものか明文化せずに公開していると、たまたまその中で述べられている批判対象に該当した全く無関係の他人が、「これは俺のことを言っているのか」と噛み付いてくることがあります。「これは自分にも該当するから、今後は気をつけよう」と思える人はまだいいですが、「これは明らかに自分に向けられた言葉だ、こいつは俺を攻撃している、こいつは俺の敵だ」と短絡する人も珍しくありません。誰に宛てているのか分からないメッセージというのは、無用な敵を増やす可能性を高めるのです。
一度他人に敵と認識されたら、以後その人は自分のことを己個人と敵対する誰々としか見てくれませんから、誤解を解くのも一苦労です。
要約すると、宛名書きはこういう目的で書いているということです。まぁこれは、あくまで特定個人向けに宛名書きなしで書いて別の人からいらんいちゃもんを付けられた上に当の本人には全然伝わってなかったし別の人がそういうやり方をしていて卑怯者呼ばわりされているのを見てしまったりしたが故の僕の個人的な考えであって、他人もそうあるべきとか強要するつもりはないんですけどね。
名指しでものを言えば、その分強い反発にあう可能性は高くなります。誰ともなしにうやむやな言い方を努めていれば、敵を作ることもないでしょう。しかし、それは同時に、メッセージがメッセージとして受けとられないということでもあります。僕は、相手にちゃんと伝わる言葉を発したい。伝わらないものは、言葉とは思わない。そういうことです。