パソコンでのお絵描き、いわゆる 2DCG をこれから始めたいという方は、参考にしてみて下さい。
大きく分けて Windows と Macintosh の2種類がありますが、どちらでも構わないでしょう。ただし、自分の周囲に Windows ユーザーが多い場合は Windows を、 Mac ユーザーが多い場合は Mac をと、マシントラブルなどのイザというときに手助けしてもらえる相手が多い方を選ぶのが重要です。
自分の回りにパソコンを使っている人自体がいない場合、とりあえず Windows 機を選択しておくといいと思います。 Windows の方がユーザー数が多く、いろいろと都合がいいですので。
CPU はマシンの速度を決定づける要素の一つです。やはり速いに越したことはありませんが、かといって最新・最速の CPU である必要はありません。 Celeron や MMX Pentium 程度でも十分実用に耐えます。
お絵描き目的なら、メモリはケチってはいけません。最低でも96〜 128MB は必要です。多ければ多いほど快適に作業ができます。 SOTEC などの廉価マシンの中にはメモリの増設ができない場合があるので、マシン選びの際には最大搭載可能メモリ量にも十分注意しましょう。
これも容量が大きいに越したことはありませんが、標準の容量で不足してきたら、そのときに買い足しましょう。
CRT (ブラウン管方式)で最低17インチは必要です。15インチ以下の小型ディスプレイでは、画面が狭すぎて話になりません。また、液晶ディスプレイは発色が悪いので、 CG 環境としては適しません(ブラウン管に比べて色の深みが足りない)。
ディスプレイと関連してきますが、 24bit ( 32bit )フルカラーで 1024×768pixel を表示できるというのが最低条件です。17インチディスプレイの場合 1152×864pixel 、19インチの場合 1280×1024pixel 程度が目安でしょう(ディスプレイのサイズに対して解像度が高すぎると、表示が小さすぎて逆に作業効率が落ちます)。
最近のビデオカードなら、だいたい大丈夫です。ただ、搭載するチップによって発色の善し悪しがありますので、どれを選ぶかは周囲の評判を聞いて決めるのが得策でしょう。
フラットベッド式で、 A4 原稿をセットでき、読みとり解像度が 300dpi 以上であるものなら、何でも構わないでしょう。何年も前の型落ち品でも、十分実用に耐えます。
スキャナは 2D のお絵描きには必須といっていいので、なるべく早く手に入れておきましょう。
タブレットとはペン型の入力装置のことで、手描きに近い感覚でパソコン上でお絵描きができます。必須ではありませんが、あれば作業効率が段違いですので、お金に余裕があれば導入してもいいでしょう。
ワコムの intuos シリーズが評判がいいです。サイズは A5 〜 A4 程度で十分でしょう。あまり大きいと場所をとる問題の方が目立ちます。
FAVOなどのA6サイズのタブレットは、読みとり面が小さすぎて不便ですが、使い慣れるとこれでも結構なことができます。いきなり大型のものを買うのが怖ければ、FAVOなどのエントリーモデルから始めてみるのもいいでしょう。
マウスなんて……と思われるかもしれませんが、これが結構重要。普通の2ボタンマウスではなく、 Microsoft の IntelliMouse やロジクールのホイール付きマウスなど、3ボタン以上の物がいいです。結構安く手に入りますので、持っていない人はこの際買い換えてしまいましょう。とにかく、3ボタン以上あるマウスでは作業効率が段違いです。
お絵描き以外でもホイールは役に立ちますので、導入することを強くお勧めします。
パソコンでお絵描きといえば Adobe の Photoshop が有名ですが、定価で10万以上、学割でも3万円しますので、最初は Pixia などのフリーウェアやウルトラキッド・ PhotoshopLE などの廉価ソフトを選ぶのが無難でしょう。特に、ウルトラキッドや PaintShopPro ・ PhotoshopLE などは、価格が1万円前後でありながら十分な性能を備えていて、アマチュア用途であればこのあたりの製品でも十分事足ります。
Photoshop のようなプロユースの高級ツールは、「必要」ではなく「あれば便利」といった程度に考えておきましょう。
なにより、向上心が無ければなりません。お絵描きに対する情熱、上達する事への飽くなき欲望、先人たちの技術を盗む探求心―― 一番大事なのは、意外とこういうものだったりします。